『かごめかごめ』の歌の歴史は非常に古く、原型が確認されている最古の文献は1820年ごろに編纂された「竹堂随筆」に収録された童謡とされています。江戸時代中期には既に知られていたこの歌ですが、現在のバージョンとは内容が大きく異なります。
現代の『かごめかごめ』
現代の歌詞は以下のようなものです:
かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だあれ
この形式が定着したのは明治時代以降と考えられています。
江戸時代の原型
「竹堂随筆」に記録されていた歌詞には、現代のような「鶴」や「亀」は登場していません。その内容は次の通りです:
かァごめかごめ かーごのなかの鳥は いついつでやる 夜あけのばんに つるつるつっぺぇつた なべのなべのそこぬけ そこぬいてーたーァもれ
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現代の歌詞と比べて、全体的に遊び心や言葉遊びが強調されている印象を受けます。「つるつるつっぺぇつた」や「なべのなべのそこぬけ」といった語句が並び、韻を踏むことで当時の遊戯的な雰囲気を感じさせます。
明治時代に変化した理由
では、なぜこれが現在の歌詞に変わっていったのでしょうか?その理由については、はっきりとした記録が存在しないため、いまだ謎に包まれています。しかし、以下のような仮説があります:
- 文化の統一: 明治時代の教育改革や中央集権化の過程で、歌詞が整理され、統一的な形に変化した可能性があります。
- 寓意の追加: 「鶴」と「亀」は長寿や幸福を象徴する日本の伝統的なイメージであり、新しい歌詞がそうした象徴性を取り入れたのではないかと考えられます。
- 遊びから寓意へ: 子供の遊び歌としての役割から、より寓意性のある内容に変化し、教育的要素を持たせた可能性もあります。
このようにして、『かごめかごめ』は時代の流れの中で形を変え、現代に至るまで伝えられてきたのです。