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2020年に沈没した宇和島市の活魚運搬船「第八しんこう丸」。原因不明の事故と深海で発見された船体の謎を、地域の記憶とともに振り返ります。

海に沈んだ記憶:「第八しんこう丸」沈没事故の謎を追う
2020年12月、愛媛県宇和島市の活魚運搬船「第八しんこう丸」が、養殖ブリを積んで三重県尾鷲市へ向かう途中、乗組員6人とともに消息を絶った。地域の漁業関係者にとっては衝撃的な出来事だったが、事故の真相はいまだ深海の闇の中にあります。
発見された船体、しかし原因は不明
2024年2月、和歌山県すさみ町の沖合約30km、水深1500メートルの海底で「第八しんこう丸」の船体が発見されました。運輸安全委員会の調査によると、船体に目立った損傷はなく、出航前の検査でも異常は見られなかったという事です。天候も穏やかで、他船との接触も確認されていないという事です。
つまり、沈没の原因は「何らかの事象により浮力を失った」としか言えず、特定には至りませんでした。
積載量は原因か?
一部では「養殖ブリの積載量が沈没の原因では?」という声もありましたが、調査では過積載の証拠は見つかっておらず、船の規模(199トン級)から見ても通常の範囲内だったとされています。積載バランスの崩れや船内設備の不具合など、可能性は否定できませんが、深海に沈んだ船体の詳細な調査は困難を極めます。
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浮力喪失の可能性
船が浮力を失う原因としては、以下のような要因が考えられます:
- 浸水(船体の破損や漏水)
- 船体に穴が開いたり、バルブや配管の故障で海水が内部に入り込むと、空気の代わりに水が満たされてしまい、浮力が失われる。
- 積載バランスの崩れ
- 荷物の偏りや過積載によって船が傾き、復原力(元に戻ろうとする力)が働かなくなると、転覆や沈没につながることがある。
- 船底の構造的な弱点
- 船底の強度不足や老朽化によって、外圧に耐えられず破損することもある。
- 急激な天候変化や波の衝撃
- 高波や突風によって船が大きく揺れ、復原力を超える力が加わると、転覆や浸水の原因になる。
- 機関やポンプの故障
- 排水ポンプが止まったり、エンジンが停止して操船できなくなると、浸水に対応できず沈没することも。
- 空気室の破損
- 活魚運搬船などは魚を生かすための水槽を持っていて、空気室のバランスが崩れると浮力に影響する可能性もある。
船は「アルキメデスの原理」によって、水を押しのけた分の浮力を得て浮いているんだけど、そのバランスが崩れると沈んでしまいます。
しかし、これらのいずれも「第八しんこう丸」では確認されておらず、沈没はまさに“謎”のままなのです。
海の底から見守っていてほしい
遺族の方々は「不慮の事故だったと思うしかない」と語り、「海の底から見守っていてほしい」と願っています。この言葉には、海とともに生きる宇和島の人々の深い思いが込められています。