1968年公開のスティーブ・マックイーン主演映画『華麗なる賭け』を鑑賞。名曲「風のささやき」や実験的な映像表現、犯罪者側の逃げ切りエンドなど、今観ても新鮮な魅力をレビュー形式で紹介します。
先週、新聞のテレビ欄を眺めていたとき、ふと目に留まったタイトルがありました。
「華麗なる賭け」──どこか聞き覚えのあるような、でも観たことがない映画。
ちょっと気になって、BS放送を予約録画して観てみることにしました。
再生してみると、思った以上に古い映画で、主演はなんと スティーブ・マックイーン。
あのクールさと存在感は、やはり時代を超えて魅力がありますね。
そして驚いたのが、映画のテーマ曲。
聴いた瞬間に「あ、この曲知ってる」と思ったのですが、
実は ミシェル・ルグラン作曲「風のささやき(The Windmills of Your Mind)」で、
歌っているのは ノエル・ハリソン。
“スクリーン・ミュージック”として有名なのに、タイトルと映画が結びついていなかった自分に気づきました。
◆ 映画『華麗なる賭け』のストーリー(ネタバレあり)
物語の主人公は、富も名声も手にした完璧な紳士 トーマス・クラウン(スティーブ・マックイーン)。
しかしその裏の顔は──天才的な泥棒。
彼は綿密に計画した銀行強盗を、部下たちを使って見事に成功させます。
警察は手がかりをつかめず、捜査は難航。
そこで保険会社は、鋭い洞察力を持つ調査員 ビッキー(フェイ・ダナウェイ)を投入します。
ビッキーはクラウンに疑いの目を向け、距離を縮めていくうちに、
いつしか“追う側”でありながら、彼に惹かれていくという複雑な関係に。
クラウンは最後の大仕事を終え、南米へ逃亡する計画をビッキーに打ち明けます。
しかし、待ち構えていたのは警察とビッキー自身。
ついに追い詰めたかと思いきや──車に乗っていたのは別人。
クラウンは姿を消し、ビッキーには「後から来い」という伝言だけが残されます。
犯罪者側の“逃げ切りエンド”。
ビッキーの複雑な表情が、この映画の余韻をさらに深くしていました。
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【▲上記の記事からの続き▼】
◆ 当時としては斬新だった映像表現
観ていて特に印象に残ったのが、
画面分割(スプリットスクリーン)を多用した編集や、
赤い煙を使った象徴的な演出。
1968年公開の映画としては、かなり実験的で挑戦的な映像表現です。
今の映画では当たり前に見える技法でも、当時は革新的だったはず。
“スタイリッシュな犯罪映画”というジャンルを確立した作品と言われるのも納得です。
◆ 音楽が映画の空気を決定づけている
ミシェル・ルグランの「風のささやき」は、
映画のテーマそのもの──
「終わりのない思考」「迷路のような心理」「愛と疑念の交錯」
を象徴するような曲調で、作品全体を包み込んでいます。
この曲が流れるだけで、映画の世界観が一気に深まる。
まさに“映画音楽の力”を感じさせる名曲でした。
◆ 観終えて感じたこと
スティーブ・マックイーンの魅力、
フェイ・ダナウェイとの緊張感ある関係、
スタイリッシュな映像、
そして名曲。
どれを取っても“古い映画”という枠を超えて、
今観ても十分に楽しめる作品でした。
犯罪者が逃げ切るというラストも、
ハリウッド映画としては珍しく、
観終わった後にじんわりと余韻が残るタイプの映画です。
