「電気代が安くなる」と無料点検を持ちかけられた私のサロン。朝から夕方まで居座り続けたセールスマンの正体は詐欺業者でした。現在も同様の手口が増えているため注意喚起としてまとめました。

「電気代が安くなる」と無料点検を持ちかけられた私のサロン。朝から夕方まで居座り続けたセールスマンの正体
「電気代が安くなるか無料で調べます」
そんな親切そうな電話から始まった、私のサロンでの悪夢。朝から夕方まで店に居座り続け、強引に契約を迫ったセールスマンの正体は、典型的な悪質業者でした。
現在、電気料金の高騰に便乗する形で、当時とまったく同じ手口のトラブルが再び急増しています。これ以上の被害者を出さないための注意喚起として、私の実体験と、今すぐ使える防犯対策をまとめました。
うちのサロンに来た「無料点検」の恐ろしい実体験
昔、私のサロンに「地域の電気代削減キャンペーンで、ブレーカーの無料点検を行っています」という電話が掛かってきたことがありました。
当時はサロンの電気代が高かった時期でもあり、「無料だし、点検してもらうだけなら損はないか」と軽い気持ちで受け入れてしまったのが間違いの始まりでした。
翌日、スーツ姿のセールスマンがやって来て、店の分電盤(ブレーカー)をしばらく眺めたあと、深刻そうな顔でこう言いました。
「お客さん、ここの電圧が高すぎるので毎月かなり損をしていますよ。最新の電子ブレーカーに交換すれば、電気代が劇的に安くなります」
今思えば、この言葉こそが彼らの“最大の嘘”であり、お決まりの常套句だったのです。
朝9時から夕方6時まで居座る、異常な「軟禁営業」
そのセールスマンの執念は異常でした。朝9時頃に店にやってきてから、なんと夕方6時頃まで、頑として帰ろうとしないのです。
途中で営業時間が空いたタイミングを見計らって「せっかくだから散髪していきませんか?」と私に勧め、実際に髪を切り始める始末。こちらが「必要ない」「契約しない」と何度断っても、その場で何度も自分の会社に電話をかけながら、ひたすら粘り続けます。
「今なら上の人間に掛け合って、特別価格にできます!」
「今日契約してもらわないと、この工事費の割引枠が消えてしまうんです」
「電圧が高いまま放置すると、最悪の場合は火事になりますよ!」
とにかく言葉巧みに不安をあおり、こちらの精神的な疲労を待って契約させようと必死でした。
しかし、技術的な説明にどうしても納得がいかなかった私は、不審に思い最後まで首を縦に振りませんでした。夕方になり、さすがにこれ以上は無理だと諦めたのか、セールスマンは捨て台詞を残して帰っていきました。
後日ニュースで判明した「あの業者の正体」
数日後、テレビのニュースを見ていた私は、背筋が凍るような衝撃を受けました。
「電気代が安くなると偽り、高額なリース契約を迫る悪質業者が摘発された」という報道が流れたのです。
画面に映し出された会社名を見た瞬間、驚愕しました。まさに数日前、私のサロンに朝から夕方まで居座り、私に散髪をさせていた、あの会社だったのです。
もしあの日、長時間の押し問答に疲れ果て、「もう面倒だからサインして帰ってもらおう」と契約書に印鑑を押していたら……。効果のない機器や、サロンの規模に見合わない高額なリース契約(数十万円〜百数十万円)を組まされ、長年にわたってむしり取られていたはずです。
あとからAIも交えて調べて合致したのですが、かつて2000年代前半に「省電王」などのブランド名で電子ブレーカーを強引に売りつけ、のちに行政処分を受けて破産した「株式会社アイディック」などの悪質商法と、全く同じ手口でした。
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【▲上記の記事からの続き▼】
騙される前に知っておくべき「2つの科学的ファクト」
彼らのトークは一見プロっぽく聞こえますが、技術的に見ると100%デタラメです。次の2つの事実を頭に入れておくだけで、詐欺トークを簡単に見破ることができます。
ファクト①:ブレーカーを変えても「電圧」は変わらない
業者は「電圧が高いから損している、危険だ」と言ってきますが、日本の住宅や店舗に供給される電圧は、電力会社側によって常に一定(100Vまたは200V)に保たれています。
サロン側のブレーカーをどんなに高級なものに変えたところで、流れてくる電圧が変わることは絶対にありません。この説明が出た時点で「あ、詐欺だな」と判断して結構です。
※本来の「電子ブレーカー」自体は、工場の基本料金を抑えるための正当な産業用機器です。機器自体が悪なのではなく、**「嘘の技術説明をして、相場の数倍もの高額リースを組ませる悪質業者」**が問題なのです。
ファクト②:断っているのに居座る行為は「犯罪」です
彼らは「契約するまで帰らない」という態度で粘りますが、こちらが「断ります」「帰ってください」と意思表示しているにもかかわらず敷地内に居座り続ける行為は、刑法第130条の「不退去罪」にあたる立派な犯罪です。
また、特定商取引法でも「再勧誘の禁止」が定められており、明確に断られたらそれ以上勧誘してはいけない決まりになっています。
電気代高騰の「今」、全く同じ手口が再び急増中!
驚くべきことに、国民生活センターの発表などによると、電気料金の高騰が続く2024〜2026年現在、この手の「電力プラン変更」や「ブレーカー無料点検」を騙る悪質商法の相談が再び急増しています。
狙われやすいのは、以下のような対象です。
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個人経営の美容室・サロンや飲食店(経費削減の意識が高いため)
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専門知識のない高齢者や個人商店オーナー
彼らは“電気代を安くしたい”という経営者の心理と、長時間の居座りによる“疲労”につけ込んできます。
大切なサロンと財産を守るための3箇条
もしあなたのサロンやご自宅に、似たような業者が来たら、以下の対応を徹底してください。
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その場で絶対に契約・サインをしない
「他社と比較するので、資料だけ置いていってください」と言い、絶対にその場で書類に触れてはいけません。
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はっきりと断り、帰らない場合は「警察を呼びます」と伝える
「結構です、お引き取りください」と告げ、それでも居座る場合は遠慮なく警察や消費生活センターに通報する姿勢を見せてください。
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電気のことは「公式」に相談する
本当に電気代を安くしたい、または安全性が心配な場合は、飛び込みの業者ではなく、必ず地域の電力会社(四国電力など)、電気保安協会、または地元の信頼できる電気工事店に直接相談してください。
最後に
あの日、私はギリギリのところで踏みとどまり、契約しませんでした。しかし、あのまま精神的に押し切られていたら……と思うと、今でもゾッとします。
悪質業者は、私たちの「真面目さ」や「優しさ(断りづらさ)」を利用してきます。この記事が、大切なサロンやお店、そしてご家族を悪質商法から守るためのヒントになれば幸いです。