Amazonで「ちびくろサンボ」が、売られていました。
黒人差別になるということで絶版になったという事を聞いていましたのですが!
「ちびくろサンボ」は、小学生の低学年の頃に学校の本に載っていた記憶がります。
「ちびくろサンボ」で印象に残っているのは、最後トラが、木の周りをグルグル回っているうちに溶けてバターになりその挿絵のトラが溶けてバターになった絵がとても美味しそうに見えた事を記憶しています。
そんな「ちびくろサンボ」の本が、ある時期に黒人差別になるという理由で絶版になったという事を聞きました。
そして日本のマンガの「ジャングル黒べえ」もそのあおりで絶版になったということです。(現在は出版されているようです)
「ちびくろサンボ」を読んだときそんな黒人を差別だなんて考えもしませんでした。
まあ小学生の低学年でしたからね。
「ちびくろサンボ」は、黒人のサンボが主役のお話しです。
どんな内容かというと、かわいい男の子「サンボ」がジャングルでトラに出会い、何度も食べられそうになったとき、それぞれ機転をきかせ生き延びるというものです。
最後には、トラがお互いに喧嘩をはじめ木の周りをグルグルまわりトラ同士が溶けて、バターになってしまいます。
そのバターでサンボは、お母さんにホットケーキを焼いてもらい、家族でたくさん食べたという楽しい空想の物語でした。
こういう内容ですから「サンボ」は、機転の効く頭の良い男の子として描かれています。
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【▲上記の記事からの続き▼】
まったく差別とは関係のないお話です。
それでは、なぜ黒人差別ということになったのでしょうか?
それは、主人公の男の子の名前にあったようです。
この男の子の名前の「サンボ」の語源について、従来どういう批判がされていたかというと、スペイン語のZambo で、O脚あるいは猿という意味であるということです。
アメリカでスペイン人が奴隷をさして「サンボ」といっていたということです。
「ちびくろサンボ」の作者のヘレン・バナーマンは、この猿という意味から取ってサンボという名称をつけたという批判を受けていたということです。
しかし名前の問題については、最近、径書房から出されました『ちびくろサンボ速報』の中で、国連関係機関に勤めてインドで長く仕事をしておられた方が、インドのチベット方面のシェルパ族では、「サンボ」というのは、日本で言うと「太郎」みたいな非常にありふれた名前で、「マンボ」「ジャンボ」もよくある名前であると書かれています。
サンボが「優秀な」、マンボが「たくさんの」、ジャンボが「大世界」という意味があるそうです。
ヘレン・バナーマンさんは、たぶんインドのチベット方面のシェルパ族が使っていた名前からとったんだろうと私は思います。
その証拠としては、著者のヘレン・バンナーマン(1862〜1946)は、英国婦人で、医者である夫とともにインドに長い期間滞在していました。
そのときにチベット方面のシェルパ族が使っていた名前からヒントを得て主人公の名前に「サンボ」という名前を付けたんだと思います。
自分が、作った絵本の主人公の名前に奴隷を意味するような名前は普通つけませんよね!
1898年、彼女がインド高原の避暑地に残してきた子どもたちに、インド人の男の子を主人公にした手作り絵本を送ったことが「ちびくろサンボ」の そもそもの始まりだったということです。
そういった経緯もあり「サンボ」は、黒人を差別する意味はまったく無いという事も理解され絶版となっていた「ちびくろサンボ」もまた出版されるようになったのでしょうね。