ローン返済が困難なときに役立つ「返済猶予制度(モラトリアム)」とは?日本での事例、自営業者の対応方法、災害時の備えまでわかりやすく解説。

目次
返済猶予制度(モラトリアム)とは?
自営業者や災害時に役立つ金融の「一時停止ボタン」
モラトリアムって何?
「モラトリアム」とは、ローンや借金の返済を一時的に止めたり、延期したりする制度のこと。困難な状況にある人が立て直す時間を確保するための仕組みです。
日本でも使えるの?
はい、日本でも状況に応じてモラトリアム的な措置が取られています。 たとえば、2009年の「中小企業金融円滑化法」では、リーマンショックの影響を受けた企業に対して、金融機関が返済猶予に応じるよう促されました。 また、災害時には自治体や金融機関が個別に返済猶予措置を取ることもあります。
自営業者が困ったときも使える?
たとえば、ご主人が倒れて営業ができなくなった場合など、自営業者が返済困難になったときも、金融機関に相談すれば返済猶予を受けられる可能性があります。 元金の返済を一時的に止めて、利息のみ支払う形にするなど、柔軟な対応が取られることもあります。 ただし、自動的に適用されるわけではなく、早めの相談と誠実な説明が大切です。
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日本での実施はいつから?
日本で初めてモラトリアムが実施されたのは、1927年(昭和2年)の「昭和金融恐慌」のとき。 当時、大蔵大臣だった高橋是清が、全国の銀行に対して21日間の支払猶予令を発令しました。 金融不安を鎮めるための緊急措置として、モラトリアムが使われたのです。
南海トラフ地震とモラトリアムの備え
南海トラフ地震の発生確率は、今後30年以内に60〜90%以上とも言われています。 災害によって営業が止まったり、収入が途絶えたりする可能性もあるため、事業継続計画(BCP)や、ローン返済の相談先を事前に確認しておくことが重要です。
まとめ:水のように柔軟に、でも備えはしっかりと。 モラトリアム制度は、困難な状況にある人を支える「時間の猶予」。 いざというときに慌てないためにも、制度の存在を知り、相談の準備をしておくことが、安心への第一歩です。