「当たり屋リスト」のような、金銭目的ではないデマはなぜ生まれるのか?嘘の情報を発信する人の「承認欲求」や「ヒーロー願望」、そして善意で拡散してしまう私たちの心理を詳しく解説。情報の波に飲まれないための心の持ち方を提案します。
目次
はじめに:お金にならない嘘を、誰がついているのか?
「この当たり屋情報はデマです」とお伝えすると、多くの方が次にこう感じます。 「じゃあ、一体誰が何のために、こんな手の込んだ嘘を流しているの?」
振り込め詐欺のように金銭を奪うわけでもない。ウイルスを送りつけるわけでもない。 一見、誰も得をしないように思える「当たり屋リスト」が、なぜ昭和から令和の今まで生き残っているのか。
そこには、人間特有の「承認欲求」と「情報の扱い方」の落とし穴がありました。
デマを生み出す人の3つの心理
1. 「ヒーローになりたい」という歪んだ正義感
デマの作成者の多くは、意外にも「悪意」ではなく**「過剰な善意」**からスタートしていることがあります。 「最近当たり屋が増えているらしい」という曖昧な噂を聞き、それを「もっとみんなに分かりやすく、説得力のある形にして教えてあげなきゃ」と、勝手にリスト化したり、警察の名前を騙ったりして「加工」してしまうのです。
誰かに感謝されたい、世の中の役に立ちたいという承認欲求が、嘘を「正しい情報」へと塗り替えてしまいます。
2. 社会を動かしているという「万能感」
自分の投稿ひとつで何千、何万という人が驚き、拡散し、警察までが動く。 一部の「愉快犯」にとって、これは強烈な快感になります。 「自分が作った嘘で、日本中が振り回されている」という歪んだ万能感や支配欲を満たすために、リアリティのある嘘を練り上げる人が存在します。
3. 過去の情報の「ゾンビ化(再生産)」
実は「今、新しく嘘をついた犯人」がいないケースも多々あります。 かつてFAXや掲示板で回っていた古い画像を、誰かが「たまたま」ネットで見つけ、「これは大変だ!」と善意でシェアしてしまう。 これがきっかけで、30年前のデマが現代の最新ニュースとしてゾンビのように復活するのです。
なぜ、私たちは「拡散」のボタンを押してしまうのか?
デマを作る人が「最初の火」をつけるなら、その火を大きくするのは**私たち一般のユーザーの「親切心」**です。
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【▲上記の記事からの続き▼】
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「大切な家族や友人に、被害に遭ってほしくない」
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「もし本当だったら、知らせないのは無責任だ」
そんな優しい気持ちを、デマは巧妙に利用します。 特に「緊急告知」「拡散希望」という言葉は、私たちの冷静な判断力を奪い、「真偽を確かめる前に行動しなきゃ」という心理に追い込んでしまうのです。
デマの連鎖を断ち切るために
私たちは、嘘を流した犯人を特定することはできません。でも、「デマの運び屋」になることをやめることは、今すぐできます。
もし、SNSやLINEで「怪しいけれど重要そうな情報」が流れてきたら、一度だけスマホを置いて、こう自分に問いかけてみてください。
「この情報の『賞味期限』と『出所』はどこだろう?」
公的な機関のURLがない情報は、どんなに親切な内容に見えても、一度疑ってみる。その小さな「疑い」が、結果としてあなたの大切な友人や家族を、デマの混乱から守ることにつながります。
おわりに
情報の海の中で、私たちはつい「速さ」を優先してしまいます。 でも、本当に大切なのは「正しい情報を、正しく扱うこと」。
もし誰かからデマが届いたら、相手の善意を否定せず、「これ、実は昔からあるデマみたいだよ」と優しく教えてあげられる。そんな冷静さと優しさを持って、ネット社会を歩いていきたいですね。
