これは、昭和に起きた事件です。
1970年に発生した「瀬戸内シージャック事件」は、人質を取って船に立てこもった犯人を警察の狙撃手によって射殺され解決した事件です。
この事件で今回注目したいのは、犯人への発砲を許可した県警本部長の命令で犯人を射殺した大阪府警の狙撃手は、散々マスコミに吊るし上げられて実名や写真を公表されたことで悪人とされ、結果的に自ら警察官を辞職することとなったということです。
当時の警察庁長官だった後藤田正晴さんは、狙撃手を務めた警察官はマスコミからの執拗な圧力を受けて耐えきれなくなり、辞職に追い込まれた事はかわいそうだと語っています。
警察を追われる事となった原因は、人権派弁護士や一部の人権団体が批判の声から始まったようです。
事件発生中は犯人の狙撃に肯定的だったマスコミも手のひらを返したように射殺したことを批判するようになり、自由人権協会北海道支部所属の弁護士が犯人を直接的に射殺した狙撃手とそれを支持した県警本部長に対して告訴しました。
それに対して犯人への発砲を許可した県警本部長は「急所を外すように指示した」と後に述べ しかし犯人の右腕を狙った銃弾が左胸に当たってしまったと説明しています。
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【▲上記の記事からの続き▼】
広島県警は射殺は職務上やむを得ない判断であったとする姿勢で広島地検は狙撃手の行為を警察官職務執行法第7条と刑法36条の正当防衛及び刑法35条正当行為として不起訴処分となりました。
しかし狙撃手は、自ら警察官を辞職しました。
警察を追われることになった狙撃手は、どんな気持ちで警察を退職したのかと思ってしまいます。
こういう事が起きると自衛隊員にも同じような批判が起きるのではないかと危惧します。
有事なんて起こらない方が良いのですが、もし有事の際、自衛隊員に対しても人権派弁護士や一部の人権団体が批判の声を上げる輩が出てくるのではないかと心配します。