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筒井康隆は、なぜ「時をかける少女」でラベンダーを用いたのか?

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私が、ラベンダーを知ったのは、テレビドラマの「タイムトラベラー」でした。

「タイムトラベラー」の元となった小説「時をかける少女」の主人公、芳山和子は、学校の理科実験室でラベンダーの香りを嗅いだ後、タイムリープとテレポーテーションという特殊な能力を得ました。

「タイムリープ」とは、短距離の時間移動を称します。

最初に「タイムリープ」が、使われたのは筒井康隆の「 時をかける少女」です。

そして「テレポーテーション」は、物体や自分自身の身体に対して念動力(テレキネシス)を適用することによって空間を非連続的に飛び越えさせ、文字通り瞬間的に2つの地点の間を移動する能力・技術のことをいいます。

このラベンダーの香りは、身体移動能力刺激剤という薬品と組み合わさることで、タイムリープという効果を発揮します。

未来から来た科学者ケン・ソゴルがこの薬を作り、ラベンダーの香りがその薬のトリガーとなり、和子は偶然その影響を受けてしまいます。

また、ラベンダーの香りはリラックス効果があり、心身のリラックスを促進することが確認されています。このリラックス状態が、タイムリープを可能にする一助となっていると考えられます。

したがって、筒井康隆が「時をかける少女」でラベンダーを用いた理由は、ラベンダーの香りがタイムリープのトリガーとなり、またそのリラックス効果がタイムリープを容易にするため、と考えられます。

【▼記事は、下記に続く】

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【▲上記の記事からの続き▼】

このように、ラベンダーの香りは物語の中で重要な役割を果たしています。

1960年代までは、ヨーロッパを旅する機会のない日本の一般大衆は、ラベンダーをほとんど知りませんでした。

フランスではラベンダーの香り袋やラベンダー油を用いた製品がよく見られるため、フランスを旅したり滞在したことのある日本人は知る機会があったと思います。

日本が経済的に豊かになるにつれ海外旅行をする人が増え、ヨーロッパでラベンダー関連製品の香りを自身で体験し、興味を持つ人が増えました。

1975年に国鉄のカレンダーで北海道富良野のラベンダー畑が紹介され問い合わせが殺到し、観光資源として栽培されるようになります。

1967年には、筒井康隆の小説『時をかける少女』が発表され、 それを映像化した作品であるテレビドラマ『タイム・トラベラー』は、1972年に放送されます。

人気テレビドラマ『北の国から』(1981年 – 1982年)でもラベンダー畑が登場して話題となり富良野のラベンダー畑は、夏の北海道旅行で立ち寄る場所の一種の「定番」となり、多くの日本人がラベンダーに親しむようになりました。

また原田知世主演・大林宣彦監督の映画『時をかける少女』(1983年)に、物語の鍵としてラベンダーの香りが登場し それらの作品(特に1983年の映画)に接した人は、その名前と香りの特徴を知ったのではないでしょうか。

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