西江寺・えんま様その3

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私たちは命が終わってあの世(冥界めいかい)へ行くと閻魔様えんまさまを中心とする住人じゅうにんの王たちのきびしい裁判を次々に受けさせられ次にどこに生まれ変わるのかを決められると言います。
十王経じゅうおうぎょうは、正しくは「仏説地蔵菩薩発心因縁十王経ぶっせつ じぞうぼさつ ほっしん いんねん じゅうおうぎょう」と言いお地蔵じぞう様のことを書いた地蔵経じぞうきょうの中の一つです。

【18】仏様

第 一 初七日 秦広王しんこうおう 不動明王ふどうみょうおう
第 二 二七日 初江王しょこうおう 釈迦如来しゃかにょらい
第 三 三七日 宋帝王そうていおう 文殊菩薩もんじゅぼさつ
第 四 四七日 五官王ごかんおう (普賢菩薩)
第 五 五七日 閻魔王えんまおう 地蔵菩薩じぞうぼさつ
第 六 六七日 変成王へんせいおう 弥勒菩薩みろくぼさつ
第 七 七七日 太山王たいさんおう 薬師如来やくしにょらい
第 八 百か日 平等王びょうどうおう 観世音菩薩かんぜおんぼさつ
第 九 一周忌 都市王としおう 阿しゅく菩薩あしゅくぼさつ
第 十 三回忌 五道転輪王ごどうてんりんおう 阿弥陀如来あみだにょらい

最初の裁きは、秦広王しんこうおうのところで初七日しょなぬかとあるのは、亡者もうじゃは死んで七日目なのか秦広王しんこうおうの裁判を受けるということだそうです。

次の初江王しょこうおうは二七日で これは2回目の七日つまり14日目ということで四十九日の法要は現在も広く行われていますが、これは七七日で太山王たいさんおうの裁きを受ける日を言う様です。


また秦広王しんこうおうのところに不動明王ふどうみょうおうとあるのは、不動明王ふどうみょうおうが姿を変え化身となって冥界に来ているのが秦広王しんこうおうであり初江王しょこうおう
は、お釈迦しゃか様で 閻魔王えんまおうはお地蔵様じぞうさまの化身だそうです。

【13】えんま様 アップ


十王経じゅうおうぎょうには「第一秦広王不動明王しんこう おう ふどうみょうおう」というような書き出しで それぞれの王のことが述べられているそうです。


亡者もうじゃは、四十九日しじゅうくにちまでは七日目なのかめごとに それ以後百日目、1年目、千日(三年)目の合計10回の裁きをそれぞれの王から受けて その結果
次に六界ろっかいのうちのどこに生まれ変わるか決められるというのです。

【25】寝観音様

だからあとに残った家族や親類縁者は、それぞれの日に一生懸命供養くようして、その功徳くどくで亡くなった人の罪が少しでも軽くなるようにと願ってきたのです。

現在でも四十九日、一周忌、三周忌の法要は広く行われています。初七日しょなぬかの前の日に初めて行う法要が「お逮夜たいや」です。だからお逮夜たいやは亡くなった日から6日目に行うのが正しいそうです。

【23】仏壇

【15】本堂内2

十王の役所と裁判

 第一の秦広王しんこうおうの役所は、冥界の入り口近くの関門かんもんの所にあり亡者もうじゃたちは門の下に座らされて殺生せっしょうの罪を問いただされ鬼たちから鉄の棒で打たれるそうです。

冥界を曲がりくねって三途さんずの川が流れているそうですが、その曲がりで最初に入江になっているところに第二の初江王しょこうおうの役所があるそうです。

天井 竜
Nakiryu 【鳴き龍】 龍の頭の下の床で手を叩くとどこからともなく微妙な音が聞こえてくるので「鳴き龍」と言われている。 作者は、栄町の黒田旗のぼり店の黒田健一さん 大きさは、畳40畳敷き。

【17】

役所の前に大きな木がありその陰に年をとった男女二人の鬼がいるそうで男の鬼は懸衣翁けんえおうで女の鬼は奪衣婆だつえばというそうです。奪衣婆だつえば亡者もうじゃの着物をはぎ取り懸衣翁けんえおうはそれを木の枝にかけ罪の重さによって枝のれ方が違うそうなので奪衣婆だつえば亡者もうじゃが生前に犯した罪をとがめて両手の指を折ってしまい懸衣翁けんえおう不義密通ふぎみっつうを犯した者をにくんで頭と足を一つにくくってしまうといいます。

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十王経じゅうおうぎょうには、初江王しょこうおうがどんな罪を裁くのか書いてないそうですが、別のおきょうには「亡者もうじゃの罪をさばいて重い者は黒縄地獄こくじょう じごくへ行かせる」とあるそうです。黒縄こくじょうというのは、大工さんが使う墨縄こくじょうのことで鬼が墨縄こくじょうを張って亡者もうじゃの体に線を引きそれにしたがって体を切りきざんでしまうのが黒縄地獄こくじょうだそうです。

第三の宋帝王そうていおうの役所は、三途の川の2番目の入江の所にあり正しくない男女関係を持って邪淫じゃいんの罪を犯した者は、乳房ちぶさを切りかれると言います。ここまで来て亡者もうじゃたちは冥土めいどの旅がいかに長くつらいものであるか思い知らされるということです。

【20】掛け軸

第四の五官王ごかんおうの役所は、第二と第三の入江の間にありここでは体と口で犯す七つの罪を 七つのはかりにのせられて調べられるということです。特にうそを言ったことがないかどうかがまず調べられそして「地獄へ落ちる者」、「餓鬼がきになる物」、「畜生ちくしょうに生まれ変わる者」などが決められるそうです。

第五の閻魔王えんまおうの役所は、人間の住む所から五百由旬ゆじゅんというものすごく遠い所にあって 仏のいない世界だそうで人が生まれると同生神(倶生神くしょうじん)という神が二人生まれて その人の左右の方のところにいて死ぬまでついてまわるということです。左肩の神は悪い行いを 右肩の神は善い行いを残らず全部書き留めておいて閻魔王えんまおうに報告するんだそうです。

また閻魔王えんまおうの役所には「浄頗梨じょうはりの鏡」をはじめ八枚の鏡があって亡者もうじゃが生前に行った善い行いも悪い行いもすべて映し出すと言われています。

【21】地獄掛け軸

第六は変成王へんせいおうでこの王は、前の五官王ごかんおうはかり閻魔王えんまおうの鏡がはっきりさせたことによって罪があればそれをめ善があれば福をすすめるそうです。

第七は太山王たいさんおうの役所でここでは特に両舌の罪(二枚舌の罪)と言って あちらへ言ってはああ言いこちらへ着てはこう言うというように人をごまかしてきた罪が裁かれるそうです。

第八の平等王びょうどうおうは、欲張よくばりなことをしたことに対して罰を与えるそうです。

第九の都市王としおうは、いかりりのために犯した罪をいましめるそうです。

最後の第十は五道転輪王ごどうてんりんおうでこの王の役所では、ゆがんんだ心やわがままから犯したあやまちとか愚痴ぐちをこぼしたり浅はかな考えから犯した罪は、つねに自分の身についてまわるのだと強くいましめられると言われています。

 

【22】本堂内

こちらでは、動画でえんま様の様子が見られます。
えんま祭り 2010′ 宇和島市 西江寺

今日の「宇和島の散歩道」は、「西江寺・えんま様その3」のお話でした。

西江寺・えんま様その2  西江寺・えんま様その4▶

[宇和島市西江寺地図 Simple Map]

愛媛県宇和島市西江寺

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